ピアノを弾く人なら誰もが知っておくべき、モーツァルトのピアノ曲9選

モーツァルトが今もなお、歴史上極めて有名な作曲家の一人として君臨しているのには、それだけの理由があります。ここでは、ピアノの練習におすすめのモーツァルトの9つの有名作品をご紹介します。

最終更新日:2024年1月25日

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト。この作曲家の曲を意識して聴いたことはなくても、その名前はご存知のはず。神童とたたえられたモーツァルトは、5歳から35歳の間に600曲以上を作曲し、1791年に死去するまで素晴らしい作品を生み続けました。ここには、モーツァルトが自身に捧げる曲だと信じていたと伝えられる悲痛なレクイエム(鎮魂曲)も含まれています。残念ながら、彼の予測は間違っていなかったようです。この曲については、後ほどご紹介します。

古典派の時代を生きた伝説的な作曲家モーツァルトについては多くの逸話が残され、事実をひもとくのは容易なことではありません。それでも、モーツァルトの音楽は彼の希望や反抗心、華麗さを映し、真実を物語ってくれます。モーツァルトの作品の中でも特に愛され、長く親しまれている曲を演奏し、その魅力を実際に体感してみましょう。flowkeyでは、モーツァルトの楽曲から9作品をまとめました。

これらは全てflowkeyで練習でき、初心者からプロレベルまであらゆる難易度があります。

1. トルコ行進曲 - ピアノソナタ第11番 K. 331

モーツァルトの型破りでお茶目な才能が光る一曲

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トルコ行進曲 – ピアノソナタ第11番 K. 331 第3楽章

Wolfgang Amadeus Mozart

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この生き生きとした陽気な一曲は、モーツァルトの作品の中でも今も特に有名で、当時人気を得ていたトルコ・オスマン帝国の常備歩兵軍団「イェニチェリ」の音楽に着想を得ています。原題の「Rondo alla turca(トルコ風ロンド)」の「ロンド(回旋曲)」は、繰り返される主題に対し「挿入部」が交互に現れる曲の構造を示しています。とはいえ、常に型破りなスタイルを目指したモーツァルトの作品なので、典型的なロンドではないことも意外ではないかもしれません。

初心者でもプロでも楽しく弾ける曲で、両手を使った演奏やリズムを維持する力を磨く良い機会となります。flowkeyでは2つの編曲をご用意しましたので、中級者レベルでゆっくりと練習してから、駆け抜ける競走馬のような華麗で本格的なプロ版に挑戦できます。

2. "Non più andrai," Le Nozze di Figaro, KV. 492(もう飛ぶまいぞこの蝶々 – フィガロの結婚 KV. 492)

鍵盤の上を楽しげに跳ね回る一曲

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"Non più andrai", Le Nozze di Figaro, KV. 492∶ Act I, Scene VIII

Wolfgang Amadeus Mozart

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モーツァルトは、ピアノ曲だけではなくオペラでも有名です。『フィガロの結婚』は、今も人気のオペラの一つ。「もう飛ぶまいぞこの蝶々」は壮大なアリアで、古典的なオペラの特徴である陽気で弾むようなメロディーを採用しつつも、ピアノで演奏される主題はそれに劣らず印象的。ピアノを習う多くの人がレパートリーにしている作品です。

flowkeyがご提供する初心者・中級者向けの編曲は、手の独立性、つまりそれぞれの手で異なる音やリズムを演奏する練習にぴったり。作品は短く優美で、とても楽しく演奏でき、練習にも活気が出ること間違いなしです。

3. アイネ・クライネ・ナハトムジーク

モーツァルト作品とは知らずとも、聞いたことがあるはず

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アイネ・クライネ・ナハトムジーク – セレナード第13番 ト長調 K. 525

Wolfgang Amadeus Mozart

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この作品の題名を文字通り翻訳すると「小さな夜の曲」という意味になりますが、これは「セレナード」を指すモーツァルト独自の言葉遣いと考えていいでしょう。 モーツァルトは記録に「小さな夜の曲」を作曲したと書き残しているだけで、作品が彼の死後に発表されるとこの言い回しが定着しました。

この曲はクラシック史上、(モーツァルト作品に限らず)特に頻繁に演奏されてきた名だたる作品の一つです。それもそのはず。モーツァルトの輝くような希望や創意工夫が作品の4楽章全てに貫かれ、有名な第1楽章アレグロは多くの映画でも使われています。強い魅力を持ち、我を忘れさせられるような一曲。パーティーで演奏すれば、注目の的になること間違いなしですね。

4. Don Giovanni:Overture(序曲 – ドン・ジョヴァンニ)

オペラの傑作の幕を開ける感動的なオープニング曲

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Don Giovanni: Overture

Wolfgang Amadeus Mozart

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オペラ史上指折りの傑作に数えられる『ドン・ジョヴァンニ』は、奔放な恋愛の数々により破滅に至るスペインの道楽者、ドン・ファンの伝説を基にモーツァルトが制作した作品です。モーツァルトはこれら全てを序曲に封じ込め、弾けるような情熱から忘れられない優しさまで、これから登場するあらゆる感情を提示しています。

ピアノの演奏における感情と強弱のつながりを探るにはぴったりの作品です。flowkeyでは中級者からプロまで3つのレベルで練習できるので、最初はゆっくり簡単なものから始めて、徐々に腕を磨いていくことができます。または、思い切っていきなり完全版に挑戦するもよし。ご自身の希望に合わせて取り組んでください!

5. I. Andante grazioso – Sonata No. 11(ピアノソナタ第11番 – 第1楽章 アンダンテ・グラツィオーソ)

ピアノに向かう、素敵で穏やかな時間

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I. Andante grazioso – Sonata No. 11

Wolfgang Amadeus Mozart

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ピアノソナタ第11番の第1楽章で、モーツァルトはまたもや予想を裏切ります。ソナタ形式ではなく、変奏曲から始まるのです。この曲では、繊細で美しい主題に乗せて、6つの変奏が提示されます。

自分で作曲してみたいと思ったことがある人(または知っている曲で即興演奏をしたいだけでも)は、この楽章から多くのことを学べるはず。それもなんと、モーツァルトからです! またとても穏やかな曲なので、ピアノに向かう落ち着いた時間を楽しみたい人にはぴったりです。

6. I. Allegro – Sonata No. 16 in C, K. 545(ピアノソナタ第16番 – 第1楽章 アレグロ ハ長調 K. 545)

手の協調性を高めるのに最適な、頭から離れない一曲

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I. Allegro – Sonata No. 16 in C, K. 545

Wolfgang Amadeus Mozart

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この曲はモーツァルトの死後長年にわたり発表されませんでしたが、今となっては広く知られた代表作となりました。アレグロの楽章は、まさに何日も、あるいは何年も頭から離れないメロディーで、この曲の人気の高さからもそれがうかがえます。

右手のメロディーと左手の分散和音が相互に作用し、手の協調性を高めるには最適です。モーツァルトはこの曲を「初心者向け」と記していて、「Sonata facile(簡単なソナタ)」や「Sonata semplice(シンプルなソナタ)」というニックネームもつけられていますが、実際は中級者以上の演奏に適していると言えるでしょう。

7. Molto allegro – Symphony No. 40 in Gm(交響曲第40番 ト短調 – モルト・アレグロ)

モーツァルトの暗い時期に制作された悲しげな名曲

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Molto allegro – Symphony No. 40 in Gm

Wolfgang Amadeus Mozart

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交響曲第40番は、モーツァルトの作品の中でも変わり種。彼が短調で作曲した交響曲は、こちらの作品を含め2つのみです。この作品は、当時の芸術運動「シュトゥルム・ウント・ドラング」(疾風怒濤[どとう])に対するモーツァルトの関心だけでなく、彼の人生における暗い転機を反映しています。

最初の楽章は「モルト・アレグロ」(非常に速く生き生きと)で演奏され、悲しげな短調に不思議な軽やかさをもたらします。そのため、同作品は複雑な感情を表現するピアノの力を模索できる素晴らしい作品で、演奏しがいもある(それでいて楽しい)曲です。flowkeyの初心者向け編曲ではテンポを落としているので、堂々たる上級者編へと進むための良い土台になります。

8. Lacrimosa – Requiem KV. 626(ラクリモーサ – レクイエム KV. 626)

モーツァルトが完成させられなかった、悲痛ながらも美しい一曲

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Lacrimosa – Requiem KV 626

Wolfgang Amadeus Mozart

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「Lacrimosa(ラクリモーサ)」とは「涙ぐんだ」という意味で、痛ましくも美しいこの作品にぴったりです。未亡人となった妻のコンスタンツェによると、すでに体調を崩していたモーツァルトは、謎めいた使者からこのレクイエムの作曲を依頼されました。モーツァルトは死者のためのこのミサ曲を、自分自身のために作曲していると信じるようになります。モーツァルトがこの曲の制作中に亡くなったことで、謎はさらに深まるばかりです。

レクイエムは全体を通して心揺さぶられるものですが、それでも最も重要な部分は「ラクリモーサ」です。声のハーモニーがコードにアレンジされたピアノ版では手の柔軟性が試され、曲を全身で感じて演奏できます。鳥肌が立ち、練習の努力が報われるでしょう。flowkeyでは上級者レベルで練習できますが、中級レベルの方も諦めずに忍耐強く練習すれば、演奏できるようになるかもしれません。

9. Minuet in G, K. 1(メヌエット ト長調 K. 1)

モーツァルトが初めて作曲した曲

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Minuet in G, K. 1

Wolfgang Amadeus Mozart

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最後は、モーツァルトの起源に戻りましょう。彼が初めて作曲した曲です。5歳のときに作曲したとは、まさに神童。喜びに満ちたシンプルなこの作品を満たすあふれんばかりの若々しさは、小さい姿でピアノの鍵盤に向かうモーツァルト少年を思わせ、私たちは彼のその後の天才としての将来に驚かされます。

この曲と「ラクリモーサ」の間にモーツァルトが作曲したとされる発表済みの曲は600曲以上。この他にも、日の目を見ることがなかった未完成曲もあります。作曲を続けたこの30年で、彼は音楽の様相を永遠に変えてしまったのです。

モーツァルトなど有名作曲家の曲を見つけよう

モーツァルトの作品をもっと見てみたい場合は、flowkeyのアプリで「Mozart」と検索してみてください。バロック音楽、古典派、ロマン派時代の他の有名作曲家をチェックされたい方はまず、クラシックピアノの定番曲14選(英語のみ に関するflowkeyの記事を見ていただくのがおすすめです。

flowkeyで大好きな曲を演奏しよう

flowkeyでは、様々なジャンルやレベルであらゆる種類の曲を練習できます。さらには多くの曲が簡略化されているので、より簡単なバージョンから弾き始めて徐々にレベルを上げることも可能です。楽譜とプロのピアニストの手による演奏が一つの画面に表示され、あなたに最も合った方法で、お手本に合わせて楽に弾けるよう設定されています。

自分の好きな方法で曲を練習するには、待機モードや手の切り替え、ループ機能が役立ちます。自分のペースで片手ずつ、短いセクションに分けて練習しましょう。またflowkeyのコースでは、基礎を含むいろいろなことを学べます。無料版ではいくつか曲やレッスンをお試しいただけるほか、ライブラリの全曲とコース全体をご利用いただけるプレミアムバージョンの7日間無料お試しもあります。

皆さんのピアノ学習の旅にご一緒できることを(たとえこの記事を読んでいる間だけでも!)うれしく思います。さらにサポートが必要な場合は、[email protected]までご連絡ください。

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