両手でピアノを弾けるようになるには?

両手を使った演奏は、ピアノを弾く上で最も難しいハードルのひとつ。でも大丈夫。時間をかけて練習し、ここで紹介する5つのコツを参考にすれば、両手での演奏も大きくレベルアップするはずです。 

by Rhian Avery

両手でピアノを弾くことに苦労しているのは、あなただけではありません。両手で弾くことは、まるで魔法のように感じる人も多いかも。片手なら完璧に弾けるのに、両手になると全然ダメ。脳がフリーズしたみたいになって、どんなに頑張っても右手と左手で同時に弾くことができない、なんて方も多いのでは?

両手で弾くことは、実はたいていの人がピアノ練習で最も苦労するハードルの一つ。それもそのはず、両手が別々に動くことを経験したことがないと、脳が混乱するのです。両手を連動させて動かせるようになるには、時間をかけて繰り返し練習し、右手と左手の協調性と自信を身につけることが必要です。

また、ほぼ右手(ト音記号)でしか弾いていなかった人がそこに左手を追加するためには、まったく新しい音部記号(ヘ音記号)とその音符の位置を覚える必要があります。これもまた一つの障壁です。

このように、両手で曲を演奏できるようになるには、より多くのスキルが必要です。でも大丈夫。地道に正しい方法で練習を続けることで、この壁を突破して、ピアノ奏者として一つ上のレベルに到達できるはずです。

独学でピアノを学んでいる方が両手での演奏をマスターするには、ピアノの先生に教えてもらうよりも多くの自己鍛錬が必要となることもありますが、それでも十分可能性はあります。flowkeyのようなピアノ学習アプリは、目標の達成に向けた練習をサポートしてくれる素晴らしいツールです。

今回は、独学の方にもピアノの先生がいる方にもおすすめの、両手でピアノが弾けるようになるための5つのコツをご紹介します。

左右の手は「別々に弾く」べき?

両手でのピアノ演奏に関する記事ではよく、両手が同時に全く違う動きをするという説明があり、両手を「別々に」または「バラバラに」動かすという考え方が紹介されています。ですが私たちflowkeyでは、両手をまったく別々のものとして考えると、練習がより難しくなるのではないかと感じています。それよりも、手が同じ時間軸にそって互いに作用し、協力しあっているようなイメージのほうが近いでしょう。つまり、2つの別々のことをしているのではなく、1つのことをするために右手と左手が協力しあっているのです。例えるなら、2人のパートナーが同時に同じルールの下、一緒に一つのプロジェクトを進めるようなもの。常に全く同じパートを演奏しているわけではないですが、それぞれの異なる音符やリズムが、互いを補いサポートしあっているのです。

1. 右手と左手を別々に練習してから両手で弾く

まず知っておきたいのは、両手でピアノを弾くということが、脳がこれまで経験したことのない複雑なタスクであるということ。新しい事を学ぶ際、脳はそのタスクに全神経を集中させる必要があり、同時に何か違うことをする余裕はありません。

だからこそ、新しい曲を学ぶ際には、まず右手と左手を別々に練習することをおすすめします。いきなり両手で演奏しようとすると、脳は右手と左手のパートを同時に学ばなければなりません。これは誰にとっても大変なことで、両手弾きにまだ慣れてない人であればなおさら脳には大きな負荷になります(両手で演奏しようとすると、脳がフリーズするように感じるのはこのせいなのです)。

両手で弾ける準備は整った?

両手で弾き始める前に、右手と左手を暗譜してみましょう。覚えたかどうか確認するには、目を閉じて弾いてみるのが効果的。何も見ないで右手と左手、それぞれ正しく弾けるようになれば、両手で弾く練習を始めても大丈夫です。

両手で練習を始めたら、これは全く新しい動きで、脳が一から学習しなければならないのだと考えてください。ゼロから始めるような感覚になるのも当然。片手で弾く時よりずっと遅いスピードで弾かなければならないかもしれません。でも大丈夫、落ち込まないで! 繰り返し、着実に練習をすれば、驚くほど早く上達するでしょう。1日20〜30分の練習時間を作れるのが理想的ですが、それ以上に大切なのは継続です。自分に合った練習スケジュールを立てることで、きっと両手で弾けるようになるはずです。

両手での練習をサポートするため、flowkeyでは練習したい手を選べます。ライブラリの全ての曲を、右手/左手/両手で弾くことができるのです。この機能を使えば、両手で弾けるようになるまでの練習時間がグッと短くなります。どんな機能なのか興味がある方は、ぜひ7日間の無料トライアルでお試しください。

2. 曲を細かく分けて練習

脳は、新しいことや複雑なことは「一口大」に分けたほうが理解しやすいもの。両手でピアノを弾くことにも、これが当てはまります。

曲をできれば4~8秒程度の小さな部分に分けて、1つのパートごとに練習していきます。各パートが完璧に弾けるようになったら、それを組み合わせ、あとはそれぞれの間のつなぎ部分を練習するだけです。このやり方をマスターすれば、あっという間に一曲まるまる両手で演奏できるようになります。

先ほどの1つ目とこの2つ目のコツを組み合わせると、「曲を短いパートに分けて、右手と左手を別々に練習し、最後に両手で一度に練習する」ということですね。

flowkeyアプリのループ機能を使えば、曲を簡単に分割して、自動的に繰り返し練習できます。これを使えば(自分で操作しなくても済み)練習に集中できるので、両手弾きがはるかに簡単に練習できます。

3. ゆっくりと、着実に

両手で練習していると、曲の部分練習を急いだり、リズムをきちんと守らなかったりしたくなるかもしれません。でも、そんな気持ちはいったん我慢。早く弾けるようになっていると感じたとしても、実際は曲全体を正確に弾く目標が遠のいてしまいます。

それよりも、まずは曲の最後まで安定して演奏できるようなとても遅いテンポで演奏できるようになりましょう。ここでは手の動きと音符を完全に理解することが目的なので、遅すぎると感じるぐらいでも問題ありません。

ゆっくりのテンポで自信を持ってスムーズに弾けるようになったら、ここで初めてテンポを上げましょう。一定のリズムを保ちながら、少しずつ弾くテンポを上げていき、最後にその曲の元々の速さで弾けるようにします。

さらに学ぼう—テンポについて

ピアノ演奏におけるテンポやリズムについてもっと知りたい場合、 flowkeyの『【初心者向け】ピアノ上達ガイド』第8章で音符、タイミング、強弱についてご紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。  

4. 簡単な曲やエクササイズから始める

初めて両手でピアノを弾く段階では、難しすぎない曲を選ぶことが大切です。自分のレベルに合った曲を見つけることで、モチベーションを保ちながら、楽しく練習に取り組めるのです。原則として、右手と左手のパートの組み合わせが難しすぎず、鍵盤の上をそれほど行ったり来たりしなくても済むような曲がおすすめです。まずはflowkeyの「初心者のための超簡単ピアノ曲10選」をチェックしてみてはいかがでしょう?

レベルに合った曲の選び方

曲の難易度が自分に合っているかどうかは、どう判断したらいいのでしょう? ピアノの先生や経験豊富な人に聞いて、曲選びを手伝ってもらうこともできますが、flowkeyのようなピアノ練習アプリも、こんな時に役立ちます。初心者からプロまで、あらゆる難易度に合わせて曲が収録されているからです。

レベルに合った曲で両手の連携の練習をすることで、さまざまな練習ができるため、常に新鮮な気分になり練習のモチベーションが維持できます。ネットで「ピアノ 両手 練習」などと検索すれば無料エクササイズが見つかりますが、多くの検索結果の中から質が高く自分に合ったものを探し出すのは、時間も相当かかり至難の業。flowkeyのようなピアノ練習アプリは、この点でもおすすめです。定評のあるステップバイステップコースで練習すれば、目標をきっと達成できるでしょう。

flowkeyのライブラリには、あらゆる難易度に対応した何千もの曲が収録されています。さらに「ピアノにふれてみよう」や「両手で弾く練習」などのコースは、初心者がピアノを弾くための基礎を学べるよう、うまく設計されています。アカウントを作成すると、「ピアノにふれてみよう」の最初のレッスンと数曲を無料でお試しいただけます。また、7日間の無料トライアル期間中は、flowkeyの曲とコースを全てお試しいただけます。

5. あとは眠るにまかせて

両手でピアノを弾くといった複雑な動作を身につけるには、実は睡眠が一番の友達。というのも、脳は睡眠中に学習したことを処理し、体で覚えたことが定着するからです。また、睡眠不足も練習の大敵。眠りが足りないと集中力が低下し、手を繊細に動かせなくなり、学習や定着が難しくなります。

一生懸命練習しているのになかなか上達しないと感じたら、1日休んで、夜しっかり眠ってから再開してみましょう。まるで魔法のように、前日よりもはるかに上手に弾けるようになるはずです。

今回ご紹介したコツを念頭に置いて練習を続ければ、きっと両手でも簡単に弾けるようになるはず。あきらめずに、地道に頑張りましょう!

そして、flowkeyがあなたの味方だということもお忘れなく。このアプリでは、自分のレベルに合った練習曲を選び、曲を細かい部分に分けて繰り返したり、片手ごとに弾いたり、様々なテンポで練習したりできます。さらには、コースを通して両手演奏のスキルを向上させることも可能です。これらのツールを使えば、練習の速度が上がり、脳が訓練され、あっという間に両手弾きが自然にできるようになるはずです。

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