ピアノを学ぶのに、「楽しい」以外のメリットはあるのでしょうか？ 実は楽器演奏は趣味として楽しいだけではありません。ピアノで曲を弾いている時、あなたの脳はフルスピードで回転しています。脳の様々なの領域が活性化され、長期的に脳にいい影響を及ぼします。ピアノを続けるためのモチベーションを保つことが難しい方はピアノを弾く事で得られる5つの効果を参考にしてみてはいかがでしょう。

1. ピアノを弾くと頭と身体の協調性がアップする

ピアノを弾く事で、脳と筋肉の協調性を身につけることができます。両手でピアノを弾く時は、右手と左手で全く違う動きをしなければなりません。この時あなたの脳は、両方の手に別々に動きを指示しています。これは、脳のジョギング運動のようなもの。別々の手の動きで同時に演奏することは、あなたの脳の様々な領域を活性化します。さらに楽譜を読みながら鍵盤を弾くことで、目と手の動きの協調性が向上。人生の色々な場面で役立つ能力です。

2. ピアノを弾くとリスニング力が上がる

上手くピアノを演奏するためのコツは、曲を注意深く聴くこと。お手本となる演奏をしっかり聞いてこそ、自分で弾いた時にどう修正したらいいのかが分かるのです。生まれつき絶対音感がなくても大丈夫。音感は練習とともに養われていきます。最初のうちは、これから習おうとする曲を鍵盤で弾く前に、鼻歌で歌ってみるのも良い方法です。

音楽のリスニング能力は、母国語の言語記憶にも役立ちます。また、騒がしい環境でも声をよりよく聞き取れるようになります。これは、友達と一緒にカフェやレストランで会話をする際に便利な能力です。

3. ピアノを弾くと読解力が向上する

本に書かれた文字と同じく、楽譜上に書かれた音符がどのような曲なのかを理解するためには、内容を解読する能力が必要です。つまり、楽譜の読み方を学ぶことは、同時に読解力を鍛えることに繋がります。この事は、ジャーナルPsychology of Musicに発表された研究によって証明されました（詳細を知りたい場合はこちらをクリック（英語））。そのため、例えば子供が成長する上で読解力を向上させるには、ピアノは最良の選択肢の一つです。

4. ピアノを弾くことで外国語の習得が早くなる

外国語の学習は、読解力や理解力と密接に関係しています。楽譜を読んで、それを手の動きに「翻訳」することは、外国語を話すプロセスとよく似ているからです。複数の研究によると、楽譜の読み方を習った子供は外国語の成績が良かった、という結果が出ています。大人になってから楽器を始めた場合でも、楽器の演奏と外国語習得スキルには相関関係があります。

言語能力の向上は、楽器を習う事で養われるリスニング能力にも関係しているかもしれません。ピアノを習う事で、耳は外国語の発音を拾いやすくなり、単語の始まりと終わりを聞き取れるようになります。特にフランス語など聞き取りが難しい言語では、この能力は非常に大事ですよね。

5. ピアノを弾くと数学力がアップする

意外に思うかもしれませんが、音符やリズム、音楽理論の基本は数学でできています。つまり、楽譜を読んだりリズムを数えたりするのには、数学のスキルが必要です。研究によると、日常的に楽器を演奏している生徒は、そうでない生徒より数学のテストで良い成績を収めることが明らかになりました。でもピアノを弾くことは、数学のテストをするよりもはるかに楽しいですよね。

ピアノを弾いてもアインシュタインにはなれませんが、脳には確実に良い効果があります。つまりピアノを習うことには、楽しいだけではなく、多くの「良い」理由があるのです。