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【初心者向け】ピアノ上達ガイド

第1章失敗しないピアノの選び方第2章 ピアノを学ぶ方法第3章正しい姿勢と指づかい第4章ピアノの演奏を始めよう第5章楽譜の読み方の基本
第6章効率的な練習方法第7章目標を立てよう第8章楽譜の読み方をマスター第9章ペダルを使いこなす方法第10章ピアノに関する質問

第4章

ピアノの演奏を始めよう

【初心者向け】ピアノ上達ガイド

前章では、演奏を始めるための準備をしました。正しい座り方と姿勢、鍵盤の弾き方はこれで大丈夫。これまでのテクニックを実践するべく、ここからは鍵盤について学んでいきましょう。ピアノを弾き始める際には、正しいテクニックで弾くことがとても大切です。慣れてきたら何度でも、第3章 - 正しい姿勢と指づかいに戻って自分の姿勢や指の形を確認しましょう。

基本の手の位置

鍵盤を見てください。鍵盤の左端から右端に行くにしたがい、低い音から高い音へと変化していきます。弾く際のスタート地点を見つけるために、まずは黒鍵を見てみましょう。黒鍵が2つと3つのグループになっているのがわかりますね。

2つと3つの黒鍵のグループ
2つと3つの黒鍵のグループ

2つの黒鍵グループの左隣にある白鍵はすべてド(C) です。次に、鍵盤全体の一番真ん中にある、2つの黒鍵グループの左にあるドを見つけてください。このドは「ミドルC」と呼ばれ、ピアノを弾く際の基本位置になります。

ミドルC
ミドルCの見つけ方

ミドルCを見つけたら、その上に右手の親指を置きましょう。前回習った手の形を覚えていますか? 親指の左側(先端付近)がミドルCに触れ、残りの指は小さなボールをにぎるように軽く丸まっているはずです。

ここで、残りの4本の指をドから順番に、レ(D)ミ(E)ファ(F)ソ(G)に割り当てます。これがメロディーを弾く基本の手の位置です。黒鍵は今のところは無視してください。

Cポジションの鍵盤
Cポジションの鍵盤

その他の注意点

海外には、鍵盤の名前にアルファベット(A〜G)が使われている国、日本と同じドレミ方式が使われている国があります。どちらの場合も、白鍵の名前は7種類(ドレミファソラシド / CDEFGAB)しかありません。アルファベットの音名は、今後コードの名前などで登場してきますので、ドレミと一緒に覚えておくと便利です。多くの初心者向けはミドルCのポジションで弾けるものが多いため、ド(C)から始めます。

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正しい指づかい

Cポジションでは、どの指でどの音を弾くのかははっきりしています。ですが、Cポジションより低い音、高い音が登場すると、どう指を動かせばいいのか分からなくなるかもしれません。実際には、正しい運指は一種類ではありませんし、多くの要因に左右されます。ですが、いくつかのポイントを押さえておく必要はあります。詳しくは第10章 - ピアノに関する質問をご覧ください。

A(ラ)から次のA(ラ)までの8つの音を1オクターブと呼びます(ラテン語の「オクト = 8」に由来)。試しに、異なるオクターブの同じ音を弾いてみると、同じ音で高さだけが違うことが分かるでしょう。

1オクターブ
1オクターブ(A〜G)

鍵盤全体を見てみると、全てのドの音は2つの黒鍵グループの左に位置しているのがわかります。同様に、全てのファの音は3つの黒鍵グループの左にあります。このパターンが分かれば、ピアノの白鍵の音を見つけるのは簡単です。ほとんどのピアノでは、一番低い音はAかCですが、その部分を最もよく使うので、常にミドルCポジションを使って自分の方向を決めます。

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音名の表記についての注意

ここまで読んだ方はお気づきかと思いますが、音名の表記にはアルファベットを使う方法と「ドレミ」と使う方法があります。アルファベットを使うのは、英・米式表記。2種類の音名を覚えるのは大変そうですが、コードを弾く際に役立ちます。もし今後本格的に音楽を学びたいなら必須の知識。その違いについて簡単にご説明します。

固定ド表記

アルファベット「CDEFGAB」ではなく「ドレミファソラシド」を使う方法は、実はイタリア発祥。今ではフランスなどのヨーロッパ圏、そして日本で一般的に使われています。有名な例としては「サウンド・オブ・ミュージック」の「ドレミのうた」ですね。英語圏でのパフォーミングアーツスクールなどでも広く使われています。

ドイツ式表記

吹奏楽の経験がある方にはおなじみの、C(ツェー)D(デー)E(エー)という呼び名は、ドイツ式のアルファベットの発音です。英語式と比べてイレギュラーなのは、ドイツ式ではB(シ)の音をHB♭(シ♭)(シの左隣の黒鍵)をBと読む点です。

弾いてみよう

それでは、手をCポジションに置いて、親指から小指まで5つの鍵盤を「ドレミファソ」と順番に弾いてみましょう。各鍵盤をそれぞれしっかりと弾いて押さえ、次の鍵盤を弾く前に離します。第3章で習った指づかいを思い出してください。今度は逆に「ソファミレド」と弾いたり、音符を飛ばしてみたりして、弾いたときの鍵盤の感触と、音の響き方を感じてください。

これらの5つの音を強く、柔らかく、長く、短くと変化をつけながら、ダイナミックに弾いてみましょう。第3章で説明した通り、力を抜いて、Cポジションの腕の位置をキープして、手首がわずかに沈むだけにします。

初めてのメロディに挑戦

楽譜の読み方については次の章から説明しますが、まずはドレミの文字を見ながら簡単なメロディーを弾いてみましょう。Cポジションで、ド〜ソの音に5本の指を置きます。それぞれの音符は同じ長さで弾き、「-」と書かれた部分では鍵盤を押さえ続けます。楽譜に比べるとかなり大雑把ですが、今はこれで弾いてみましょう。音符を弾く時間やタイミングの表現方法については、第8章でご紹介します。

この曲は「オーラ・リー」というアメリカ伝統曲。エルヴィス・プレスリーの「ラヴ・ミー・テンダー」のメロディーとしてご存知の方も多いかもしれません。

ドファミファソレソ - ファミレミファ - - - ドファミファソレソ - ファミレミファ - - -

上手に弾けましたね、素晴らしい!

もっと弾きたい? それではベートーヴェンの「歓喜の歌」はいかがでしょう。

ミミファソソファミレドドレミミ - レレ - 

ミミファソソファミレドドレミレ - ドド -  

こちらも弾けたでしょうか? 次の章からは、いよいよ音符の読み方を学んでいきます。